2009年07月02日

vol.9「引き波系?」それとも「銀幕系?」(後篇)by西根博司

『銀幕を味方にするルアー』
ここから先は、水面銀幕を味方にするルアーについて書いてみたいと思います。
水面銀幕について一番大切な事。それは、水面銀幕は水中の何処からでも見えるものではない、という事を知っておかなければなりません。前回、長々と書かせて頂いたウェイクベイトの話で言えば、例えばウェイキング中のウェイクベイトを、水深3mの位置から真上に見上げると、水面銀幕は見えません。言ってみれば、ルアーが空をバックにしてぽっかりと浮かんでいるような状態で、ルアー単体のシルエットが黒く見える状態だと思います。ルアーを中心として、V字波を引いたり、波紋が広がってたり(この状態だからこそ、引き波を視覚刺激として利用できる)。

で、水深3mから徐々に浮上しながら、横方向に目線をずらしてみるとしましょうか。すると、あら不思議!(笑)ある一点を越えたところで、今まで見えていた空が突然見えなくなり、かわりに水面銀幕が出現するんです。これは水面に対する目線の角度が、ある一定の角度より浅くなった時に起こる現象。そして、僕自身はバスがこの範囲内に居る時に最大限の効果を発揮するルアーを、『銀幕を味方にするルアー』と考えています。
じゃあ、どんなルアーが、銀幕を味方にするルアーかというと・・・・・・
ズバリ!超サブサーフェスルアー!!それも深度5〜7センチ以内を泳ぐルアー!!
ginmaku.jpg

この深度を泳ぐルアーって、せいぜい微妙に水面を盛り上げるか、引き波が立ったとしても、筋を一本引くぐらいですよね。 盛大な引き波を立てるウェイクベイトに見慣れた釣り人の目からすると、こんな貧相な引き波で釣れるの?ってなぐらいの、ショボショボな引き波(笑)ですが、この超サブサーフェスレンジではそんなショボショボ波でいいんです(と言うか、引き波を立てすぎると釣れません)。
引き波を立てすぎない事。『水面銀幕』を最大限有効に使うコツはここにあります。人間目線で見ると、超ショボショボな引き波。これをバス目線で見てみると、これが全く別物なんです。表現は難しいのですが、水面直下を泳ぐルアーの姿が銀幕に映り込み、かつその銀幕が微妙に揺らいでいる状態。言ってみれば、ルアーの実体と水面に映りこんだルアーの姿が背中合わせになって見える状態なんですが、バスの目線から見てみると(ルアーの斜め後方から追尾している状態)、水面銀幕にルアーが映りこんで、チラチラユラユラと実にルアーを判別し辛い状態なんですね。
まさに銀幕マジックです。で、これがルアーの深度が深くなりすぎると、水面に映りこんでいるシルエットとルアー実体が分離してしまって、銀幕マジックが効かなくなるような気がしています。そのベスト深度が5〜7センチぐらい(たぶん)。そして、この深度は表層を泳ぐベイトフィッシュが泳ぐ深度そのものでもあり、バスにとっては非常に違和感のないレンジと思われます。

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手前ミソになって恐縮ですが、今年NLWから発売予定のデンプシーテール85Sというルアーはこれらの要素を重視して作ったルアー。今年、各社から発売されている、ノーアクションの棒引きミノーも、この水面直下レンジが一番美味しいレンジだと思います。

話をまとめると、簡単に言えば、集魚力に優れる『引き波系』。最強のインパクトで、バスを浮かせ(もしくは寄せ)、一気に食わせる。これは同時に、その場に居る最も力のあるバスを釣る事のできるルアーでもあります。

そして、幻惑能力に優れる『銀幕系』。バスを浮かせる能力、寄せる能力はウェイクベイトには及びませんが、バスがトップレンジに居て、浮かせたり寄せたりをあまり考えてなくて良い場合、恐ろしい力を発揮する事があります。言ってみれば、バスを追尾させて食わせるルアーですね。ウェイクベイトならスレてしまって一匹で終わりと言うような場面でも、何匹も立て続けに釣れ続けたりしてしまうのが、この手のルアーの特徴。バスがスクーリングして、表層のベイトフィッシュをフィーディングしているような時(秋とか)なんか、特に面白いルアーですよー。数匹のバスが奪い合うようにルアーにアタックしてきたりする事も度々あります。

余談になりますが、これらのルアー(水押し系と銀幕系)は、バスの食い方もかなり違ってて、ウェイクベイト系はドハデなバイトが多く、超サブサーフェス系は、非常にナチュラルな食い方をしてくる事が多いです。
『引き波系』と『銀幕系』。
同じ水面系ルアーでも、そんな事を頭の隅っこに置いて釣りすると、より水面の釣りが楽しくなるかもですよ。これからの梅雨から初夏に掛けて、水面系ルアーが大活躍する季節ですので、ぜひ楽しんでみてくださいね!! 時にはワームなんかより簡単に釣れちゃうんですから(これホント。笑)。by西根博司
posted by hbm at 16:55| マエストロノート