2011年02月10日

vol.15"波動=音"という切り口by那須大士朗

前回の西根さんの記事、非常に面白かったですね!それに影響されてかどうかはワカリマセンが、ナスダイシロウ的にこの"音"についての考えを書き進めたい思います。西根さんはプロップとヒートンとの"接触音"について書いていますが、僕は違うアプローチで書いていきます。

今回は"波動"について、です。まず僕はある状況以外では"ルアーの起こす波動(水押し)"についてハッキリ言って、ま〜ったく信用していません。"波動"って表現は非常に曖昧で、仮に効いていてもバスがルアーを認識する要素のホンマに最後の部分が"波動"だと思っています。さらに"波動"ですが、あれは"音"なんです!スモラバやワームからは"波動(水押し)"なんて絶対出てません(キッパリ)。ありゃ嘘です。今言われる"波動"ってのは理解不可能な項目を無理矢理成立させる為の、魔法の言葉(マジックワードってやつですね)としてメーカーや釣り人がそれを表現する為のボキャブラリーとして使ってるだけです(グルメレポーターの"甘い"と一緒)。
いきなりスパイシーな事書きましたが、前にこの事について自分のコラム"D−TALK"で書いたんでまた読んでみてください。
  またもや波動について@http://www18.ocn.ne.jp/~grayz/newpage347.html
  またもや波動についてAhttp://www18.ocn.ne.jp/~grayz/newpage348.html

しかしこの"波動"。先程言った「ある条件下」では聞こえてるかな?っと感じる事があります。
その1つが"プロップなどから出る波動"。メタルジグなど"質量の高いルアーの速い動き"や、ラインの"水切り音"なんかもそうです。つまり僕は水を"押す"のではなく"切り裂くようなスピードと瞬発力のあるアクション"をする物体から発せられる"水との接触音"についてはバスが認識しているんじゃないか?それがまさに"波動"と言う名の"音"だと思っています。
そしてこの波動=音論について改めて考え直したのが、実はあるルアーを作った時。そのルアーが通称・謎の鉄板="ブレイド"です。
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このルアーを作っている時、金属製ルアーの特性について多くの事考えさせられました。例えばスピナーベイト。スピナーベイトって実は"完全サイレント"のルアーなんですね。クランクベイトはしばしマッディウォーターでラトル、ノンラトルで釣果に違いを感じる事が多々あるのですが、"音"がしないはずのスピナーベイトはクリアウォーター、マッディウォーターでの釣果に違いはあまり感じられないのです。"完全サイレント"なのに何故?さらに去年ガンクラフトが火付け役となって流行ったシンキングスイッシャー。こいつも西根さんが言うプロップとヒートンの"音以外にも何か"が効いてる感じがするんですよね。
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"ブレイド"ってルアーも妙にこの根拠の無い"気がする"があるルアーで、マッディウォーターで釣れるんです、実は。針とボディが激しく接触するので初めはその音かなと思っていたのですが、同時進行で作ってた小さなサイズの"ブレイド"(リアのみのワンフックであまり音がしないん)ですが、やはりマッディウォーターで釣れるんですね。
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さらに一度面白い経験をしたのですが、ドチャ濁りの激流バックウォーターで船をステイさせ、真下4mくらいにブレイド落とし込んで流れにまかせて泳がすだけで爆釣を経験した事がありました(ちなみにキチンと使い分けをしてダウンショットやテキサスを投げてもサッパリ。メタルジグもただ漂わすだけではダメでシャクって、本来の使い方をすれば釣れたんです。ちなみになぜかスピナーベイトはダメだったので、ここが確信とならない理由なんですが。。)。
そして現在ブームが来そうなスプーン。この使い方をディープエリアで使っても、やっぱり釣れるんです。(確信とならないと書きましたし、あくまでまだ想像段階ですが)僕はこの薄さ0、5mm〜1、5mmの金属片がウォブルしフォールする動きには、どうやら"水を切る音"を出しているんではないかと思っています。
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(数年前から言われてますが)今年こそスプーンブーム到来!と言われており、数社いよいよスプーンを発売するみたいですね。まぁメーカーとしてはありがたく、この奇妙奇天烈摩訶不思議なルアーをリリースするタイミングが到来して非常に嬉しいです。そして何よりこの仮説の答え合わせが出来る最高の時期が到来したことに、密かにワクワクしています。しっかりと長すぎるテストもしてますし、動きもビッグベイトである"オリジナルブレイドのウォブリング"するスプーンとかけ離れた動きを踏まえつつ、新たにこの"水切りの音=波動"を意識した開発をしたつもりです(例えば質量・重量別にテストしてたり等)。ウチの商品に関わらず皆さんもスプーンと言う分野で"波動"を一度意識して使ってみて欲しいですね。その評価がどうなるか?それがまた僕のルアー作りへの素晴らしい答えとなって耳に入るのを楽しみにしています。まぁその前に"ブレイド"をスプーンにしてええんかな?売れない可能性があるのでやっぱり耳に入らん予感も(T_T) 
(那須大士朗)
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2010年11月09日

vol.14プロペラの秘密by西根博司

FExをご覧の皆様ご無沙汰しております!さて一席!西根的プロペラ論を書いてみたいと思います!!が、実は僕もワカラン事だらけなので、現時点で自分が感じている事を書かせて頂きますね。(今回は話の混乱を避ける為にも、最近流行のタダ巻きWプロップベイトに話を絞って進めさせて頂きたいと思います)
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OchiAyu WP125F/NLW

さて、プロペラ。バスにはどう感じられているのでしょうね?こればっかりはバスに聞いてみないとワカリマセンよね。あんな金属板がクルクル回ってて、ホント何に見えているのでしょうか。。まずプロペラの特徴ですが、実は僕自身が最も重要視しているのは「プロペラが発生させる音」です。何と言ってもこの「音」が独特!!金属のシャフトを回る時に発生させる「カリカリカリカリという音」。一説には水中を泳ぐベイトフィッシュの骨格が軋む音に比較的近いと言われる事もありますが、真偽の程は僕にはわかりません(機会があったら実際の魚の骨格が軋む音というのをぜひ聞いてみたいと願っています)。

ではルアーのメカニズムと言う観点からプロペラを捉えるとどんな特徴があるのでしょうか?まず第一番に言える事は、プロペラが最も効率的に「音」を出せるシステムの一つだと言えます。もっと踏み込んだ言い方をするならば、ボディーが全くアクションをしないような超低速でも回り続けるので、ルアーが動いている限り「音」を発生させる事が可能です。

第2番に言える事は、プロペラが発生させる「音」は基本的には連続音と言う事です。(タダ巻き時)ルアーが完全に停止しない限りプロペラは回転し続けている訳ですから、「音」も出続けますよね。これは見方を変えると、スピード変化による「音」の強弱は調整できても、音質を変化させるのは難しいと言う事を意味していると考えています。この特徴を釣り人の観点から考えると、スピードや音質変化を使ったリアクション狙いが難しいタイプのルアーと言ってもいいのではないでしょうか。

逆に、この連続音であるからこそ、バスが反応しているのでは?って感じるシーズンもあります。その一つが産卵期のバス。プリから産卵直前までのバスがWプロップベイトに反応が良い事があります。何故プロップベイトに反応するのか分かりませんが、時期的な事を考えると、もしかしたらフィーディング以外の理由で反応してきている事もあるのかもしれませんね。

それともう一つ、晩秋とか水温が下降傾向にある時に、やはりプロップベイトのただ巻きが効果的である事があります。これは恐らく(基本的にはフィーディング中心なのだと思いますが)水温低下や水質悪化によってバスが激しい動きのルアーに反応し辛くなり、そんな時にWプロップベイトのローインパクトなアクションに思わず口を使ってしまうっていうような感じでしょうか?

とにかくWプロップベイトを使う上で、「プロペラの回転音」は非常に大きな役割を果たしているのではないかと思います。

アタリプロップと言うのは存在します。そして、そのプロペラのアピールを活かせるボディーも非常に重要に思います。ただ単にクルクルプロペラが回って釣れるかと言えば、そう単純なものでもなく、やはりボディーあってのプロペラだと僕は考えています。アタリボディー×アタリプロップを探す旅。かく言う僕もそのアタリボディーに辿りつく為に、格闘している日々なのです。
(西根博司)


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2010年10月15日

vol.13ソフトベイトのデザイニングby那須大士朗

書いちゃうよ!!ハードベイトマエストロなのにソフトルアーの事書いちゃうよっw(とは言ったはものの、ハードベイターの皆さんのご機嫌も気にしながら)今回のソフトベイトマエストロ?!を書いていきます(フィッシングEXからグレイズの名前が消えないように祈って下さいw)
さて!今回の動画で前回のJOLT-ジョルトと共に活躍したのが、グレイズ初のソフトルアー"メイプルデプサー"。これがですね〜今は完成したからエエモノを・・ワタクシ完全にナメてました・・・ワーム作りを。。作って思ったのが、僕的にはハードベイトより"難しい"。
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発売前から関西のある人のおかげで話題に。。
そして最近、関東のある人のおかげでまたもや話題に。。
みなさん"リーパー系"お好きなんですね。。

たぶん人それぞれで、デザイナーのタイプによって違うのでしょうが、僕には"めっっちゃくちゃ難しい"。なんでかって言うとDーTALKでも書いたのですが、ワームって"曖昧な部分が多すぎる"んです。ソフトルアーはフックセットの位置・種類、そしてリグやその他付属品により"千差万別の動き"をしてしまうんです。ハードルアーってあらかじめライン結ぶ場所が決まってるでしょ(これって凄い事!)言い方変えれば"作り手主導"で使い方に制限をかけれる。しかしソフトルアーは"釣り手主導"。釣り手がその場の状況に応じて一つのルアーで使い方を変えてしまう。厳密に言えば50mmのワームを1mmで区切れば50通りのフックの刺し場所が存在し、当然それにより動きが違う。当然の事ながらリグによっても違う。フックによっても違う。シンカーによっても違う。そんなん前提で作れるワケあらへんですやん?!
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このカラー、動画でも釣っていたヨシノボリ

でも僕の場合そんなん前提で作りたくなってしまうんですね〜!全てを理解してコントロールしたいワケなのです(無理なんはわかっとんねんけどなっw)っで!GRAYZワームシリーズの一番の特徴は古(イニシエ)の成型方法"ハンドポワード成型"を用いてその特殊なローカルカラーを体現しつつシンプルな形状で仕上げる事にしました。もう本当に余計な事はしない。長く愛されるワームってやっぱシンプルな形状が多いでしょ。そしてまたこのご時勢にあえてハンドポワードを選択したっちゅー・・これは開発者として他と違うの出したいっちゅ〜エゴです(笑)前置き長くなりましたがその中でも肝心の"メイプルデプサー"。こいつは色々な秘密が隠されていまして、縦刺しと呼ばれる近畿リザーバーで長年シークレットとされてきた使い方を前提にデザインしました。この縦刺しは通常の横刺しと比較的アクションの同調が楽で、僕は作り手なりに【これはイケる!】っと確信して開発を始めました。
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これがオフセットフックでの縦刺し

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これがネコリグの縦刺し

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キモはビラビラにフックを若干かけるくらいで刺す事

メイプルデプサーの設計上のキモは、この真ん中に一本通った"背骨"にあるんです。これによりフックセットの容易さ、振動アクションのコントロール等色々な事がこの部分だけでコントロール出来るんです。そりゃもちろん他の部分も触りますけど。。メイプルデプサーのアクションは"ブワンブワンと動くフラッタリングアクション"ではなく、グレイズワームの共通した特徴でもある"ビビッとした震えるようなヴァイブレーションアクション"。更にそれにリーパー系ワーム独特のフラッタリングアクションもある程度ロッドで任意で起こせる、"非常にコントロール性能に富んだ性質"を持たせています。まぁ活字で書くのは簡単ですが、何度やり直した事やら・・1mm違えば動きが全然ちゃうんですもん(半泣きになりながらスタッフの要望に近づけましたよ・・)
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この"背骨"が大切

またワームの場合【硬さ】でコントロールするって科目も出てくるのでこれまたハードルアーと違いヤヤコシイですな(--;)とにかくワーム作りは本当に"面白い"。色々な要素が"複雑"に絡み合って一つの"シンプル"なワームが出来上がるですね〜。ちなみに"ハンドポワード成型"は誰でも出来る成型方法。電子レンジと余ったワームがあればだれでもオリジナルワームを作れますので一度興味のある方は作ってみてはいかがでしょうか?(作り方はネットで検索)立派なハンドメイドルアーの一つですよ。レッツデザイニング!開発者としては"ハンドポワード成型"が、一つの定番とされるジャンルに復権する事ができればしてやったりですね。
(那須大士朗)
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posted by hbm at 15:05| マエストロノート

2010年08月09日

vol.12 感覚をデザインする!?by那須大士朗

さて久しぶりのハードベイトマエストロ!このボケはワームばっかり手を出しやがってとの声が聞こえてきそうです(=_=;) スンマソン(-_-)

さてさてFishingExの取材にて今回"あるルアー"が爆発しました。それがグレイズから初めてリリースしたルアー"JOLT"。
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発売4年経つこのルアーで取材成立させれるなんて、なんか嬉しいもんですな。長く愛されるルアーをこれからも作りたいですね。
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さてさてこのルアーにゃ色々と面白い要素が含まれているんですがその一つについて今日は書いていきましょう。それは【操作性】について、です。(今回はあんまりアクションどうこう書いていきませんので悪しからず。もはやどうでもエエ。)でももしデザイナー目指す人がいたら必ず意識しなければない必修科目ですよ。ルアーってまず大前提アクションってのがありますよね。ウォブルはどうこうロールがどうこう。人はそれに難しさを求め、より高度な成型方法、より高度なアクションへの追求が行われデザイナーは様々なアイデアの元、日々テストに明け暮れています。作り手はこの細やかな動きを自由自在にコントロールする事が出来るようになれば作り手としてかなり上級者です。
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しかしルアーの動きを完全に把握した所でもう一段階高い場所でデザイニングを意識しなければならない場所があります。それが先ほど言った操作性。例えば僕もこないだミスったんですがオッソロシイ程引き感の無いルアーを作ってしもたんです。アクションは最高・・しかし竿から伝わってくる伝達情報は何やっとるのかさーっぱりワケワカラン。これぢゃいくらエエ動きしても意味無し君。同じウォブル・ロールでもカリッとした軽いウォブルもありゃヌメッと重量感のあるロールもあり、ルアーは結局人間が投げてリール巻かないと動かないモノ。故に人間側に心地良く感じる引き抵抗や興味をそそるカラー。そういう感覚的なモノを意識してルアーを作るってのも非常に大切なんです。ところがこれまた【良い感覚】なんて曖昧なものが簡単にわかれば苦労しませんわな。これを意図的にコントロールするのっては非常に難しいんです。

しかし最低限克服する方法がルアー作りにはあって、それは【キチンとテストする】って事!釣れる釣れないのテストやなくて【使用感】のテスト。グレイズならテスターはモチロンの事、野池で会ったまったく知らん人にもルアー投げてもらったりします。とにかく色々な人に聞いて平均点を割り出したりします。自分の感覚との摺り合わせですよね。これを意識すると色々面白いモノが見えたりします。ちなみに僕はハードルアーに関してどうやら感覚的に人より若干重めの引き感を平均的なモノとして捉えてるみたいでハードルアー作る時はこれを加味して【操作性】を構築して行きます。他にも投げやすさなんかも重要な要素ですよね。多くの部分が集まって操作性は構築されとるワケです。
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今回爆発したジョルトはグレイズハードルアーの中でも最も操作性が良いルアー。ワイドウォブルはしっかりとした引き感を手元に伝えてくれ、ワイドウォブルを利用したテーブルターン。低速域での運動性能。恐らく誰が使っても『おっ扱い易いなっ』っと感覚的なモノを感じるでしょう・・ってアカンアカン!いちいち敏感に感じとろうとしなくてもエェんです。使い込んだ時に【違和感】を感じない程度に自然と使えるルアーであれば、信じて投げ続けて貰えるルアーであれば・・僕は【使用感】を意図的にコントロール出来ていると言う事で大満足です。

一番初めにもう一段階上のっと書きましたが気付きました?操作性とは・・感覚とは逆に言えば高度な成型方法や過度なデザイニングが無くても誰でも出来る部分。言い方変えれば一段階下げた一番基礎部分。何千万もする成型機が無くても、CADや切削機が無くてもキチンと作り込み、地味ぃ〜にテストすれば誰もがたやすく手に入る部分。故にルアーは最新素材のモノもあれば今だ変わらぬウッドルアーもあるんでしょね。作ってる人がいれば一度意識してみてくださいね!!
(那須大士朗)
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posted by hbm at 02:03| マエストロノート

2010年04月24日

vol.11 スモールクランクベイトis Moビッグ!by塚本謙太郎

FishingEXをご覧の皆さん。
ご無沙汰しております。

昨年の工房火災より暫くお休みを頂いておりましたが、来月よりいよいよ新工房が完成し、ルアービルダーとして復活します。
さてさて、そんな慌しくも気分的には充実した中、黒田君から「やりました!!」と嬉しい釣果報告が飛び込んできました。


今回はその黒田君も愛用してくれているウチの「スナブノーズ」というルアーについて書いてみたいと思います。
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スナブノーズはボディサイズ5cmというウチのルアーでは最小サイズのモデルになりますが、
バルサ素材でありながらウェイトは約10g、悪天候の中でもピンスポットに投げ込み易いキャスタビリティを持ちます。これはウチのルアー全てに言える事なのですが、例えどんなに良いアクションであろうとも、投げ難い、もしくは飛ばないルアーというのは使用頻度が落ちてしまいます。なぜならハードルアーが釣れる時というのは、案外悪天候である事が多く、そんな爆釣のチャンスをモノに出来るのは、ある程度キャスタビリティに優れたルアーである事が多く、釣り人に極力ストレスを与えない事が、とても重要だと思っています。

ウチのルアーで最も短いボディデザインという事は、最もハイピッチで泳ぐ事になります。横方向への水流抵抗が小さくなるのですから当然です。しかし、極端に抵抗を小さくしてハイピッチのみを追う事はしませんでした。もっとテールを細くし、ウェイトを軽くすればピッチを速くする事は出来ますが、それだとルアーが出す波動は小さくなってしまいます。
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スナブノーズではあえてテールを太くし、前後の比重を変える事で、テールで強く水を蹴り、カバーの中や濁った水の中でも、その存在を強くアピール出来るようにしています。小魚が逃げ惑う時に出す低くて強い振動は、プレデターの捕食スイッチを入れるトリガーになります。スナブノーズは、そうしたルアーとしての強さを、その小さなボディに詰め込みました。
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アラバマやルイジアナ、ミシシッピーやテキサスのフィールドを釣り歩いたスナブノーズ。新工房で再び製作を進めていきますので、是非試してみてください。

*check!
ツカケンブログ始めました!
塚本謙太郎のブログ:ハンドメイドクランク工房「KTW」の製作日記 by ktwlures
ツカケン節全開で鋭意更新中!ですので勿論要チェックです。
ハードベイトマエストロともども宜しく!です。
(塚本謙太郎)

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posted by hbm at 21:20| マエストロノート

2009年09月17日

vol.10 お待たせしました!by塚本謙太郎

永らく連載を中断してしまって申し訳ないです・・・。塚本謙太郎です。

実はこの夏、九州地方を襲った*豪雨により、店舗、家屋共に浸水被害にあってしまいました。

それにしても今年は変な天候でしたね〜。梅雨が明けたと思ったらもう秋?みたいな・・・。まあ復旧作業の間、外界(釣り業界)から遮断されていたせいかも知れませんが、夏らしい夏を感じる事無く秋の訪れを感じているこの頃です。

琵琶湖方面の友人や、ウチのルアーを取り扱ってくれているショップさんに聞いても、「今年はウィードが少ないね〜」と口を揃えています。台風が来なくていつまでもウィードもっさりの年もあれば、今年のように日照量が少なくてウィードが少ない年もある訳ですね。いやほんと自然の前では釣り人なんて塵同然です(笑)。

しかし、この話を聞いて、俄然この秋は琵琶湖に行きたいという気持ちがフツフツと沸いてきます。なぜなら!こういう(ウィードが少ない)年は水中に空間がある為、ハードルアーで釣り易くなるからです。例年ならスピナベ通すのも一苦労というエリアが、ハードルアー全面解禁!これにテンションが上がらない人は居ないでしょう。

このまま秋が深まり水温が下がってくるとハードルアーが俄然強くなります。今年のGWにウチの「漁師クランク」でデカイの連発した!という釣果報告を頂きました。是非この秋はその漁に参加したいと思っています!

誠に簡単ですが、連載再開のお知らせでした(次回はもう少し中身のある内容にしたいと思います)。

*お知らせ<その1>
件の豪雨の合間を縫っての遠賀川ロケがupされました。
シマノ:Vol.20 伝家の宝刀 塚本謙太郎編 テスト釣行 in 九州リバー(前編)
船長wのジャスターホッグで釣りまくってますのでチェックしてみてください!後篇は川でクランク篇、ですので乞うご期待。

*お知らせ<その2>
ツカケンブログ始めました!
塚本謙太郎のブログ:ハンドメイドクランク工房「KTW」の製作日記 by ktwlures
ツカケン節全開で鋭意更新中!ですので勿論要チェックです。

ハードベイトマエストロともども宜しく!です。(塚本謙太郎)

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2009年07月02日

vol.9「引き波系?」それとも「銀幕系?」(後篇)by西根博司

『銀幕を味方にするルアー』
ここから先は、水面銀幕を味方にするルアーについて書いてみたいと思います。
水面銀幕について一番大切な事。それは、水面銀幕は水中の何処からでも見えるものではない、という事を知っておかなければなりません。前回、長々と書かせて頂いたウェイクベイトの話で言えば、例えばウェイキング中のウェイクベイトを、水深3mの位置から真上に見上げると、水面銀幕は見えません。言ってみれば、ルアーが空をバックにしてぽっかりと浮かんでいるような状態で、ルアー単体のシルエットが黒く見える状態だと思います。ルアーを中心として、V字波を引いたり、波紋が広がってたり(この状態だからこそ、引き波を視覚刺激として利用できる)。

で、水深3mから徐々に浮上しながら、横方向に目線をずらしてみるとしましょうか。すると、あら不思議!(笑)ある一点を越えたところで、今まで見えていた空が突然見えなくなり、かわりに水面銀幕が出現するんです。これは水面に対する目線の角度が、ある一定の角度より浅くなった時に起こる現象。そして、僕自身はバスがこの範囲内に居る時に最大限の効果を発揮するルアーを、『銀幕を味方にするルアー』と考えています。
じゃあ、どんなルアーが、銀幕を味方にするルアーかというと・・・・・・
ズバリ!超サブサーフェスルアー!!それも深度5〜7センチ以内を泳ぐルアー!!
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この深度を泳ぐルアーって、せいぜい微妙に水面を盛り上げるか、引き波が立ったとしても、筋を一本引くぐらいですよね。 盛大な引き波を立てるウェイクベイトに見慣れた釣り人の目からすると、こんな貧相な引き波で釣れるの?ってなぐらいの、ショボショボな引き波(笑)ですが、この超サブサーフェスレンジではそんなショボショボ波でいいんです(と言うか、引き波を立てすぎると釣れません)。
引き波を立てすぎない事。『水面銀幕』を最大限有効に使うコツはここにあります。人間目線で見ると、超ショボショボな引き波。これをバス目線で見てみると、これが全く別物なんです。表現は難しいのですが、水面直下を泳ぐルアーの姿が銀幕に映り込み、かつその銀幕が微妙に揺らいでいる状態。言ってみれば、ルアーの実体と水面に映りこんだルアーの姿が背中合わせになって見える状態なんですが、バスの目線から見てみると(ルアーの斜め後方から追尾している状態)、水面銀幕にルアーが映りこんで、チラチラユラユラと実にルアーを判別し辛い状態なんですね。
まさに銀幕マジックです。で、これがルアーの深度が深くなりすぎると、水面に映りこんでいるシルエットとルアー実体が分離してしまって、銀幕マジックが効かなくなるような気がしています。そのベスト深度が5〜7センチぐらい(たぶん)。そして、この深度は表層を泳ぐベイトフィッシュが泳ぐ深度そのものでもあり、バスにとっては非常に違和感のないレンジと思われます。

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手前ミソになって恐縮ですが、今年NLWから発売予定のデンプシーテール85Sというルアーはこれらの要素を重視して作ったルアー。今年、各社から発売されている、ノーアクションの棒引きミノーも、この水面直下レンジが一番美味しいレンジだと思います。

話をまとめると、簡単に言えば、集魚力に優れる『引き波系』。最強のインパクトで、バスを浮かせ(もしくは寄せ)、一気に食わせる。これは同時に、その場に居る最も力のあるバスを釣る事のできるルアーでもあります。

そして、幻惑能力に優れる『銀幕系』。バスを浮かせる能力、寄せる能力はウェイクベイトには及びませんが、バスがトップレンジに居て、浮かせたり寄せたりをあまり考えてなくて良い場合、恐ろしい力を発揮する事があります。言ってみれば、バスを追尾させて食わせるルアーですね。ウェイクベイトならスレてしまって一匹で終わりと言うような場面でも、何匹も立て続けに釣れ続けたりしてしまうのが、この手のルアーの特徴。バスがスクーリングして、表層のベイトフィッシュをフィーディングしているような時(秋とか)なんか、特に面白いルアーですよー。数匹のバスが奪い合うようにルアーにアタックしてきたりする事も度々あります。

余談になりますが、これらのルアー(水押し系と銀幕系)は、バスの食い方もかなり違ってて、ウェイクベイト系はドハデなバイトが多く、超サブサーフェス系は、非常にナチュラルな食い方をしてくる事が多いです。
『引き波系』と『銀幕系』。
同じ水面系ルアーでも、そんな事を頭の隅っこに置いて釣りすると、より水面の釣りが楽しくなるかもですよ。これからの梅雨から初夏に掛けて、水面系ルアーが大活躍する季節ですので、ぜひ楽しんでみてくださいね!! 時にはワームなんかより簡単に釣れちゃうんですから(これホント。笑)。by西根博司
posted by hbm at 16:55| マエストロノート

2009年06月23日

vol.8「引き波系?」それとも「銀幕系?」(前篇)by西根博司

時期はトップシーズン、今回は「NLW的表層水押し系の話!」について書かせて頂きたいと思います(実はあんまり触れたくないお題なんですが〜。苦笑)

僕自身の考えですが、水面系には大きく分けて2つのタイプ(=使い分け)があると考えています。
一つ目は『引き波を味方にするルアー』。
そして二つ目は『銀幕を味方にするルアー』。

凄く大雑把ではありますが、僕自身は以上の2タイプに大別しています。
『引き波を味方にするルアー』
これは言わずと知れた、ウェイクベイト系。僕が開発に携わってきたルアーで言えば、シマノ社のトリプルインパクトなどはこの典型のルアー。以前、一世を風靡したビッグバドなどもウェイクベイト系ルアーの筆頭ですよね。
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トップウォータールアーが水面に発生させる引き波。もしくは押し波。バスの目線で下から見上げると、そりゃあ凄い視覚刺激ですよね!(水がクリアーであればあるほど効果増)。僕自身は、それらの事も踏まえてウェイクベイト系が最も力を発揮するのは、バスが上を見上げている時と考えています。

端的に言えば、バスがトップレンジに居なくとも、バスを浮かせて食わせたい時など、ウェイクベイトが発生させる引き波無しには話が成立しません。もしくは、カバーなどにバスがピッタリついている時に、カバーの上にルアーを浮かせて一点で誘い続けたり。ケースは違えど、ルアーの力と(音なども含む)、引き波の力を使って、バスを浮かせるという点は同じ。

ウェイクベイトがハマる典型的なパターンを例に上げるとすれば、アフタースポーンから真夏にかけて、ある程度の水深にサスペンドしてるバスを釣る方法。これは、このコラムで一緒に連載させて頂いている塚本さんに教えて頂いた方法なのですが、トリプルインパクトのテスト時、真夏のダム湖でトリプルインパクトを引くと、不思議や不思議、いきなり下からドカーン!って来るんです。水深10m以上もあるような場所で、何でトップに来るか不思議なんですが、塚本さんによると、バスは水深6-3mぐらいにニュートラル状態でサスペンドしてて、そいつらが水面を泳ぐウェイクベイトに刺激され、浮上してきて食っているとの事。

じゃあ、それらのバスの目の前にソフトベイトとかを落とせば釣れるかというと、これまた口を使わない。そんなバスにスイッチを入れてしまえるのがウェイクベイトの不思議な力です。 キーは、バスの目の前にルアーを送り込むのではなく、あくまでルアーの力で、バスを浮かせる(もしくは寄せる)と言う事。ここにウェイクベイトを知る最大のキーが隠されていると思います。アメリカで言えば、真夏のレイクミードのスーパースプークのパターンはあまりにも有名ですが、まさにこのタイプの釣りですよね。

なんにせよ、引き波には『バスを寄せる』、もしくは『浮かせる』大きな力が秘められているのは間違いなく(そして、たぶんバスを怒らせる力も持っているような気もします)、それをイメージすれば、効果的な使いどころが見えてくるのではないかと思います。

(「引き波系?」それとも「銀幕系?」後篇へ続く-西根博司)

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posted by hbm at 02:40| マエストロノート

2009年05月29日

vlo.7 シャロクラisストリートファイト系?! by那須大士朗

いよいよシャロー系ハードベイトが効き始める季節になってきましたね!!グレイズも過去リリースしたルアーの殆んどがシャロー系と言う事からもわかるように、僕のシャローフェチ度は相当なモンです。
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作り手としても釣り人としても、バスのアタックやルアーの動きを
目視出来るのは素晴らしく興奮しますよね!

今回は数あるシャロールアーの中でも、王道とも言えるシャロークランクについて話して行こうと思います!(あくまで僕の考えなのであしからず)

一言でシャロークランクと言っても千差万別。数え切れない種類が存在します。当然ルアーにはそれぞれのカテゴリー中、多くの種類が存在するのですが、ことシャロークランクに関しては千差万別の意味合いが非常に広く、作り手としても頭を悩ます所なのです。

例えばディープクランク。潜行させると言う目的を満たす為にまず飛距離や、より潜らせ易いタイトピッチなアクション等クリアしなければならない最低限の制限が始めから課されプロダクトしていく事となります。その為、デザインがどうしても偏りがちになり小さな違いの中から少しでも良いモノを引き出す作業となります。
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このクソでかいリップなんて潜らせる為には無くてはならないモノですよね。
格闘技でいえば寝技・足技無し、手を使う事しか許されないボクシングが、ディープクランク。
スピナーベイトやバイブレーションもそうですね。

対してシャロークランクはストリートファイト。何をしてもOK!飛距離を追求するもよし。対カバー?それとも中層?形やアクション。そこに制限となるものが少なく、ホンマにワケわからん程のバリエーションとなります。間違いなく「一つのアクションで賄える」などと言う事はありえないジャンルなんです。
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細身から丸型。当然フラットサイド。サイズも色々。

そこで作り手としてこのシャロークランクをデザイニングする際に、必ず必要なのが【作り手から制限をかける】事。作る前に明確なコンセプト(狙い所)を打ち出してそれに添ったルアーをデザイニングして行くのです。これがホントに重要。

例えば過去に僕はヴァベル。デリック。ゾディアック。と言うシャロークランク3部作をリリースしたのですがそれぞれにスタンダード。リアクション。シルエット。と言う明確なコンセプトを持たせて製作しました。
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ヴァベルにはシャロークランクとしての、
サイズやアクション等のこだわりを持たせつつも、
使い手として操作しやすい特性を持たせました。

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デリックにはフラットサイドクランクの持ち味を最大級に引き出す事を。

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ゾディアックは特殊に、ミノーと言うジャンルを昇華させ、
ルアーの持つシルエットの重要性を。
それぞれにテーマを持ってデザインしていった訳です(これだけやってもまだ足りない位)。

作り手としてシャローレンジと言う線引きはかなり曖昧な部分ではありますが、それを含めて多くの攻略の仕方があり、それは釣り人も同じ。その選択にかなり広さを感じます。小まめにルアーをセレクトして状況とバスの反応にあわせた最良のシャロークランクを導き出す。これがシャロークランクゲームの醍醐味。

広く絞り難い選択肢ですが、逆にそれをを楽しみながらシャロークランクゲームを押し通してみてはいかがでしょうか?(那須大士朗)
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2009年04月28日

vlo.6 視覚?質量?春クランクベイト考by塚本謙太郎

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春の定番ルアーとして誰もが思い浮かべるのがサスペンドミノー等のジャークベイト。特にある程度透明度の高いレイクではその傾向が強くなると思います。しかし、状況によってはクランクベイトやスピナーベイトが効果的な事もあります。ハイシーズンになるとトップウォーター以外のハードベイトがまったく通用しないようなクリアウォーターで、何故かウィグルワートのような鈍重でバタバタしたアクションのクランクベイトが圧倒的に強くなる時が少なくありません。特に15℃〜18℃くらいの水温では、普段とはまったく違ったアプローチを試してみるのもひとつの手ではないでしょうか。きっと新たな発見があると思いますよ。
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そんなクリアウォーターで使うルアーを考えた場合、とても気になるのがルアーの浮力です。近年よく言われるのが「ハイフロート、ハイピッチ」。浮力が強く、ピッチの速いバイブレーションのクランクベイトが良いクランクベイトの条件とされるものなのですが、ルアー作りを生業にする者として、これが必ずしも当てはまらないと思えるのがクリアウォーターのクランキンです。確かに、マディシャローのカバーに付いた魚を狙う時は、ハイフロートのクランクベイトが使いやすいのですが、ショアベタの狭いスポットを撃っていくにはワームよりも手返しが速く効率が良い、またソフトバイトをフッキングに持ち込みやすいという利点だけで、特別クランクベイトに強い反応を示しているとは考え難い状況でもあります。こう考えると、春のクリアウォーターのように、単純にルアーのアクションだけで魚の反応が変わる状況こそルアーの良し悪しがハッキリと出る検証向きの状況とも言えます。
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クリアウォーターで釣りをしていると、質量のあるルアーの方が大型の魚が良く釣れると感じる事があります。スイムベイトやビッグベイト、高比重ワームのノーシンカーやテキサスリグ、そしてサスペンドミノー等、近年定番化してきたルアーはどれも質量があり、比重の重い物ばかりです。古い物で言えばオキチョビベイトと呼ばれる超大型ウィローリーフのスピナーベイトも、アクション時に動かす水の量は相当な物です。もしかしたら、魚はある程度エサの質量が判り、ルアーの事もそんな基準で判断しているのでは?と思うようになりました。
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そんな考えからKTWではバルサ材だけでなく、バルサよりも比重の重いレッドシダー材を使ったルアーをいくつか開発する事にしました。なかでも杉戸船長の協力を得て、琵琶湖を強く意識した「漁師クランク」は、ルアーの比重と強い水流が大型魚に有効という持論が、果たして琵琶湖のビッグバスに通用するのかという挑戦でもありました。さらに「B7ディープ」では、B7の形状を継承しながらも、レッドシダー材ボディと専用ロングリップによって、2.5m〜3mレンジをキープ出来るよう設計しました。また、レッドシダーの比重はバルサに比べ高いキャスタビティとロングレンジでも明確に伝わるバイブレーション、グラスを除去する為に水面に叩きつけても壊れない頑丈さを持っていますので、ロングキャストが必要なビッグレイクやクリアウォーターの釣りにはピッタリなのではないでしょうか。

連載開始早々、少々手前味噌な話になってしまいましたが、KTWのルアー作りにおける基本概念を知って欲しくて紹介してみました。これからクランクベイトを使ってみたいと思う方や、どんなルアーを選んだらいいか判らないと思っている方に、「こういう考え方もあるんだな」と思って頂けたら幸いです。(塚本@謙太郎)
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posted by hbm at 01:11| マエストロノート